1.孤独死と看取り難民とは |
多死社会といわれる現代において、大事なことの一つは、死に場所です。
かつては、自宅で亡くなるケースが大半でしたが、時代の流れと共に病院で亡くなるケースが最も多くなりました。
しかし、医療費の増大もあり、国家の財政事情もあることから、現代では、在宅医療を奨励しているケースが増えています。
在宅医療は在宅医の存在が不可欠でありますが、現実には、在宅医はさほど増えてはいません。
そうなると、在宅での死を迎えるにあたって、家族の力が必要不可欠です。
ところが、現代では、家族関係が希薄であったり、そもそも家族がいない等の理由で、自宅で看取りをすることができないケースが増えています。
自宅の他には、介護施設もありますが、介護職員の人手不足のため、看取りまで対応できません。
このように、病院や自宅あるいは施設等での死に場所がないため、看取りをしてもらえないケースを「看取り難民」といいます。
特に看取り難民が増えると言われているのは、2025年です。
この年は団塊の世代が75歳以上を迎えるためです。
看取り難民が増える影響で、満足のいく医療や介護サービスを受けることができない人が大量に出てきます。
これは、経済格差によって、大きな差が出てくるのではないと思います。
したがって、これから終活をはじめる方やすでに終活ですべて決めた方ももう一度、自分の死に場所がどこになるのか考えておかなければなりません。
自分自身のことを最期まで見てくれる家族がいれば、在宅の可能性が高まります。
ある程度、資産をお持ちの方ならば、病院や施設での可能性もありえます。
そういう意味で、死に場所の確保こそが終活の最大のポイントとなるケースがこれから増えてきます。
自分自身の死に場所は自分で決めたいでしょうが、周囲との連携も大事です。