1.ひきこもり死とは |
テレビの特集番組で、気になるものがあったので、観ました。
「ひきこもり死」という特集でした。
50代の男性が単身でひきこもり生活をしている様子が放映されていました。
既に両親が他界し、自宅でひとり暮らしをしていましたが、食べるものにも事欠く様子でした。
生活保護も受けておらず、特に障害もないので、市役所の職員が自宅訪問はしているものの支援する方法がなく、困り果てている状態でした。
この男性は、就職活動で失敗したようで、公務員試験も不合格で、とりあえず入社した営業職もなじめず、退職し、そのままひきこもりになったそうです。
無職のため、両親とも会えば、口論となるため、自分の部屋でひきこもり生活に入ったわけです。
両親の他界後、別居している弟がたまに様子を見に来ていたようです。
結局、単身でひきこもったまま亡くなりました。
弟は後悔の念に苛まれていました。
ひきこもり死とは、ひきこもり生活のまま、誰にも看取られず亡くなることです。
孤独死の中の一種です。
ひきこもり生活は、親が健在であれば、生活を支えてもらえますが、親がいなくなれば、支援がなくなります。
ひきこもり生活が長いほど、就職する気力もありません。
また、生活保護を受給する気力もないケースが多く、行政や民間支援団体からの支援を受けることがないまま、時間を過ごしてしまいます。
そうすると、貯金を食い尽くした挙句、食べるものに事欠き、餓死や病死してしまうのです。
外に出ない生活を続けているため、思考能力も低下し、うつ病などの精神疾患を発症しているケースも多いので、なおさら、外部との接触がなく、ひきこもり死に至りやすいです。
このようにひきこもり死を孤独死の3大チェックポイントから考察すると、
1.財産面では、収入がほぼない状況であります。
2.ネットワーク面でも親族はおろか、地域や行政、民間団体とのつながりも少ないです。
3.健康面でも精神疾患や病気、障がいを抱えていれば、きびしいです。
ですから、ひきこもりで単身になると、自力で立ち上がることができないため、ひきこもり死となる確率が高いと言えます。
解決策としては、財産面は収入を増やす力はないですし、健康面の改善も期待できない状態ですから、ネットワーク面を強化することが唯一の方法です。
地域や行政、民間支援団体などの方と接触する機会を増やすことができれば、つながりを持つことになるので、いざというときに相談に乗ってくれたり、支援してもらうこともできます。
自分の殻にこもっていては、何も解決できませんし、ひきこもり死を迎えるだけです。
ひきこもり死をすれば、遺された遺族に葬儀、お墓、相続手続、遺品整理の分野で重い負担と多大な迷惑をかけることになります。
ひきこもり生活に至るまでの苦しかったことや辛いことがあったのは十分承知ですが、そのようなときこそ、外部との接触を持つことを意識してほしいです。
ひきこもりは自助では困難ですから、公助と共助で救うしかありません。