1.二―ティングとは |
景気が上向く気配はまったくありません。
経済が失速すると閉塞感ばかりが漂う社会になっています。
本来、人は希望をもって生きていくのが理想ですが、希望の光が消えてしまった人も少なからずいます。
心が折れて希望の光がなくなると、自堕落的な考え方や生活になってしまいます。
その典型がひきこもりやニートです。
家に閉じ困っていれば、仕事での苦痛を感じることがないまま、楽に生きていけるでしょう。
ただし、最近になって計画的にニート生活を始める輩も出てきました。
社会人として働き続けたものの、会社員生活が苦痛となったため、ある程度貯金ができたところで、自発的にニート生活を始める人がいます。
それが、二―ティングです。
もちろん進学や就職・転職でつまづいてニートになってしまった人とは、計画性があるので訳が違います。
ただし、二―ティングを始めるということは、無職となり、貯金を食いつぶす人生となるわけです。
親の支援が得られるわけではないですが、残りの人生をニート生活で過ごそうという生き方です。
確かに煩わしい人間関係から解放されますし、自由気ままに生きていくことができます。
それでも、何もしないで守りに入る人生ですから、ただ生きているだけとなります。
極端に言えば、食べて寝るだけの生活です。
それでは、動物と変わりません。
人としての生き方からは反しているといえます。
一体何のための人生でしょうか?
実際に二―ティングを始めたところで、計画通りに行くことはまずありません。
災害等の思いがけない出来事が起きたりすれば、支出が増え、貯金が大幅に目減りすれば、ニート生活を中断しなければならなくなります。
再び、働かなくてはならなくなるわけです。
ニート生活のぬるま湯から、現実の厳しさを味わうわけですから、大変厳しい状況です。
働いていた時の感覚を元に戻すのに時間がかかります。
また、単身者のニート生活の最期に待ち受けるのは、孤独死です。
ニート生活を始めると外界との接点もなくなりますので、いざ病気になったりしたときに、助けを求めることもできなくなります。
友人や知人との接点がなければ、お金がかかっても施設等とネットワークを持つように努力しなければなりません。
また、ニート生活では怠惰な生活が続きますので、健康管理も不可欠です。
外に出て運動することもしないので、体力がなくなります。
最悪の場合、孤独死して、周囲に迷惑をかけることになります。
それでもどうしても二―ティングを行うのであれば、最低限、終活も同時にしておくことをおすすめします。
二―ティングは、はじめのうちは気楽ではあるものの、時が経過するにつれて、ぬるま湯に浸かりすぎで逆に辛く感じることになります。