1.孤独死の事例 |
ここでは、孤独死の事例をご紹介します。
神奈川県平塚市の閑静な団地で自治会長の経験を持つ方に孤独死の実態についてインタビューしました。
事例をご紹介いたします。
今の団地に住み始めて早32年。
今から20年ほど前から孤独死が発生し始めました。
私が自治会長に就任してからも孤独死の対応をどのようにすべきか苦慮した経験が多数あります。
孤独死が発生した場合、その事実が団地全体に広がってしまうと次は自分なのではないかという不安が襲うことになるので、最小限に抑えるように努力しました。
事例その1
最近の事例では、昨日まで体調は悪かったけれど、普通にお話ししていた74歳のおばあさんが翌日の朝、心不全で亡くなっているのが発見されました。
病院へ連れて行く約束をしていた友人が電話しても出ないので、おかしいと思い、部屋の合鍵を使用して入ったら、遺体で発見されました。
その友人は、すぐに警察に通報しました。
すぐに警察は駈けつけてくれましたし、また、消防車も駆けつけました。
その他に団地の自治会長や管理人、同じ棟の組長にも連絡しました。
実の娘も同じ市内に在住なので、それは警察から連絡してもらいました。
警察の検視作業が終わるまでは、部屋に入ることはできませんでした。
作業終了後に、娘は、葬儀の日取りを決めていました。
自治会長と管理人と組長に葬儀の出席の要請がありました。
娘と協議した結果、今回の孤独死については、団地全体には報告せずに内密に進めていくこととなりました。
しかし、亡くなった後、必ず警察が入ったので、団地の住民から何があったのか聞かれます。
そういう意味ではやはり対応に苦労します。
無事に葬儀が終わった後、部屋の遺品整理で専門業者が入って処分していました。
このケースでは、このおばあさんが日頃から近所の方とコミュニケーションをとっていたことから、早期に発見することができました。
事例その2
上記とは逆のケースもありました。
日頃からのコミュニケーションが全く取れていなかったがゆえに発生した悲劇です。
50代の男性のケースです。
妻とは離婚し、息子と娘の3人で暮らしていました。
この男性は酒癖が悪く、近所との付き合いは全くありませんでした。
この男性が孤独死しました。
男性が住む部屋からは腐敗臭が発生していたため、周囲に住む人が気付き、家の中に入ったところ、部屋が散乱していました。
その中から男性が倒れているのを発見しました。
もうすでに亡くなってから1週間経過していました。
また、同居していたはずの息子と娘は実際には違う場所に住んでいました。
すぐに警察を呼んで対応しました。
飲みすぎて亡くなりました。
コミュニケーションが取れていなかったため、近所の方も息子と娘が同居しているはずだと思っていました。
しかし実際には誰も家族関係を把握していませんでした。
また腐敗臭を発生させたため、息子や娘にも批判の声がかかりました。
さらに原状回復義務や遺品整理にも特殊清掃が加算されるため、高額な出費がかさみました。
ちなみにこの男性が亡くなった部屋はいまだに住むことができない状態で空き家となっています。
孤独死を発生させないためには、日頃からのコミュニケーションが何より大事です。
また、これからは終活を実践すべきであると主張されていました。